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「 江戸の科学 -幕末福井の好奇心- 」 福井市立郷土歴史博物館
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平成17年夏季特別展
「 江戸の科学 -幕末福井の好奇心- 」
 福井藩士橋本左内は、早くから俊逸の才を発揮し、学問の研鑚を通じて西洋の理解を深めた一人です。そんな左内も、藩校明道館における洋書習学所の設立にあたっては、洋学の先進性に心を奪われ安易な外国崇拝に陥ることのないよう、厳しく戒めています。幕末から明治にかけて、わが国は海外の知識・技術を積極的に導入し、急速な近代化を進めましたが、左内に代表される和魂洋才の姿勢は、単なる西洋の「模倣」ではなく、日本の学問や伝統技術と融合して、独自の文化を開花させました。
 本特別展では、幕末福井における新しい知識・技術の受容について、当館が所蔵する初期写真資料、医学所「済世館」のキュンストレーキ(紙製人体解剖模型)、松平春嶽所用の科学器具などを通して見ていきます。これまで歴史の脇役でしかなかったこれらの器物資料を通して、地域の文化を再確認しようとするものです。
開催概要
会  期 7月16日(土)~9月4日(日)
※会期中展示替えがあります。
会  場 福井市立郷土歴史博物館 2階 企画展示室
休 館 日 会期中無休
開館時間 午前9時~午後7時(入館は午後6時30分まで)
観 覧 料 大人500円、高校・大学生400円、中学生以下無料
※ 70歳以上の方、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている方とその付き添いの方は、無料でご覧いただけます。
※ 友の会優待観覧券で観覧できます。
※ 20名以上の団体は2割引きとなります。
※ この観覧料で、平常展示および養浩館庭園もご覧になれますので、お得です。
主  催 福井市立郷土歴史博物館
後  援 文部科学省特定領域研究「江戸のモノづくり」総括班
展示構成
■ 福井藩の初期写真資料
 幕末に渡来した写真は、長崎・横浜・函館などの開港地を中心に広まり、写ることの驚きから写すことへの挑戦が始まりました。
 福井藩の場合は、横浜で写真術を習得し、わが国最初の営業写真家となった鵜飼玉川(文久元年・1861、江戸両国で開業)に写真術を学び、藩主から藩士層へと利用が広がりました。また、文久3年(1863)頃には美濃の写真師によって福井城下へ、写真機がもたらされています。独特の外観と美しい模様の写真機は堆朱(堆錦)カメラと呼ばれ、国内で4台が確認されています(現存3台)。いずれも同一製作者によるもので、外国製カメラを手本に、指物・金工・塗り・玉細工(レンズ)等の伝統技術を駆使して製作された、最古級の国産写真機です。
■ 医学所「済世館」のキュンストレーキ
 フランスの解剖学者オヅー(1797~1880)によって考案(1825年に発表)された紙製の人体解剖模型は、キュンストレーキあるいはキンストレーキと呼ばれています。幕末から明治にかけて数体が輸入され、福井藩では万延元年(1860)に男体を、明治2年(1869)に女体を購入しています。
 わが国の医療・医学は、西洋医学の採用によって大きな転換期を迎えました。人体解剖は、体系的西洋医学の最も基本的な学と位置付けられ、人体に代わるものとして用いられたのがキュンストレーキでした。そのリアルな教材は、西洋そのものであり、日本人の人体観を大きく塗り替えました。
■ 松平春嶽の科学器具
 福井藩主松平春嶽は、藩政改革にあたって藩外から蘭方医坪井信良・蘭学者市川斎宮・器械技術者大野規周等を招き、西洋の知識・技術の導入に当たらせました。春嶽自身も、日常生活で寒暖計や気圧計を使用するなど新しい文物を積極的に取り入れています。また、近代化にあたって度量衡制度の確立が不可欠として、明治元年4月2日に度量衡に関する建議を行っていることは、あまり知られていません。
 春嶽の手許に残された科学器具の中には、のちに明治度量衡制度の立案に関わり、度量衡の標準機器を製作した大野規周製作のものも含まれています。春嶽の建議の背景には、規周等の影響が大きかったと思われます。
□ 展示資料数 約80点
◆会期中、人体模型を分解して展示公開(男体)。
◆8月3日(水)~同19日(金):堆朱カメラの現存機3台が勢揃い
◆7月16日(土)~同31日(日):堆朱カメラ製作のモデル、アメリカンタイプ・ダゲレオタイプカメラを展示
◆松平春嶽所用の科学器具を一挙公開
 (大野規周の製作と確認された玉尺<ノギス>ほか39件)
関連催事
◆ 親子工作教室1 「ピンホールカメラを作ろう」
日時:7月23日(土)午後2時~4時
会場:当館バックヤード
対象:小・中学生(保護者同伴)
定員:20組(応募先着順)
*7月10日(日)午前9時より博物館受付カウンターまたは電話にて受付。

*氏名・住所・連絡先をお知らせください。
*作ったカメラで撮影し、実際に現像します。
◆ 記念講演会1 「フランスから来た紙塑人体模型(キュンストレーキ)と幕末福井の医学教育」
日時:7月31日(日)午後2時~3時半
会場:当館2階 講堂
講師:月澤美代子(順天堂大学大学院講師)
定員:90名(当日先着順)
◆ 親子工作教室2 「ピンホールカメラを作ろう」
日時:8月6日(土)午後2時~4時
会場:当館バックヤード
対象:小・中学生(保護者同伴)
定員:20組(応募先着順)
*7月25日(月)午前9時より博物館受付カウンターまたは電話にて受付。

*氏名・住所・連絡先をお知らせください。
*作ったカメラで撮影し、実際に現像します。
◆ 記念講演会2 「松平春嶽の科学器具」+カラクリ人形実演
日時:8月13日(土)午後2時~4時
会場:福井県国際交流会館多目的ホール
講師:鈴木一義(国立科学博物館主任研究官)
実演:三河屋(カラクリ人形)
定員:120名(応募先着順)
*7月16日(土)午前9時より博物館受付カウンターまたは電話にて受付。

*氏名・住所・連絡先をお知らせください。
◆ 子どもカラクリ教室(カラクリ人形実演)
日時:8月14日(日)午前11時~、午後2時~の2回 それぞれ45分程度
会場:当館2階 講堂
実演:三河屋(カラクリ人形)
対象:小・中学生(保護者同伴)
定員:各60名(応募先着順)
*7月16日(日)午前9時より博物館受付カウンターまたは電話にて受付。

*氏名・住所・連絡先をお知らせください。
◆ 工作教室3 「ピンホールカメラを作ろう」
日時:8月20日(土)午後2時~4時
会場:当館バックヤード
対象:一般対象(子ども可、保護者同伴でおねがいします)
定員:20組(応募先着順)
*8月10日(水)午前9時より博物館受付カウンターまたは電話にて受付。

*氏名・住所・連絡先をお知らせください。
*作ったカメラで撮影し、実際に現像します。
◆ 記念講演会3 「幕末明治初年の写真術と堆朱カメラ」
日時:8月27日(土)午後2時~3時半
会場:当館2階 講堂
講師:高橋則英(日本大学芸術学部教授)
定員:90名(当日先着順)
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