十一月 献上寒鱈早駈けんじょうかんだらはやがけの図
福井藩が江戸えど（現在の東京）の将軍家しょうぐんけに献上けんじょうする毎年恒例こうれいの特産物とくさんぶつに「御寒鱈（おかんだら）」と呼ばれる新鮮な生鱈なまだらがあり、くさらせることなく江戸までできるだけ早く運ぶ必要があった。画面右上の城門は下馬門げばもんであろう。葵紋（あおいもん＝福井の殿様の家紋）と「越州（えっしゅう＝越前のこと）」と書いた旗はたを持った人を先頭せんとうに、荷物にもつをかつぐ人たちが勢いきおいよく飛び出している。ふんどし姿にかけ声もいさましく、交代こうたいしながら江戸まで走り通したといわれる。
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