六月 祇園祭りぎおんまつりの図
福井城下の夏の祭りとして有名だった祇園ぎおん祭りの祭礼さいれいの行列ぎょうれつを描いている。6月7日から14日にかけて松本・木田の2つの天王社てんのうしゃの祇園祭ぎおんさい(祇園会:ぎおんえ ともいう)が催された。この図では武家屋敷の並ぶ通りをねり歩く様子が描かれている。行列の先頭には天狗てんぐの面が高くかかげられていて、その後ろで大きな獅子ししを大勢おおぜいの人たちがひいているが、この「獅子曳き(ししびき)」は現在も行われている。さらにその後ろに続くのが町々から出た鉾ほこと太鼓たいこをのせた屋台やたい、さらに行列の中心であった神輿みこしも見える。福井藩ふくいはんの記録きろくによれば、松本の天王社の祇園会行列は藩主(=とのさま)も城の櫓やぐらから見物したという。
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