正月十四日 桜門前馬威しの図さくらもんまえ うまおどしのず
福井城下で正月十四日に催もよおされた「馬威しうまおどし」の様子ようす。馬威しは福井藩ふくいはん独特どくとくの勇壮ゆうそうな行事ぎょうじで、馬に乗った武士(さむらい)を町人が鳴り物なりものなどで馬をおどかし、うまく走れないようにするというもの。武士の馬術ばじゅつの訓練くんれんとして始められたものというが、正月の恒例こうれい行事となった。この図は福井城内の桜門さくらもんあたりで行われた馬威しの様子で、画面右手には左義長飾りさぎちょうかざりと子供たちの太鼓たいこ小屋があり、その背後には殿様とのさまが入って見物したという佐野家さのけという武家屋敷ぶけやしきが描かれている。左手の西の馬場ばばと桜門のあたりは馬をおどす人と見物人けんぶつにんがあふれている。
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