ロゴマーク
展示・講座
利用案内
学校と歴史博物館
ふくいの歴史アーカイブス
問い合わせ・利用申請
図録の通信販売はこちら
counter
平成29年夏季特別陳列 「お殿様のおくりもの」 福井市立郷土歴史博物館
ホーム > 歴史博物館の展示・講座 > 平成29年夏季特別陳列
  
おとのさまのおくりもの イメージ画像
 
 書画や刀などの美術工芸品は、鑑賞や室内装飾だけでなく、贈答品としての役割も担ってきました。
 越前松平家の記録である『家譜』には、献上・拝領といった将軍家との贈答の記録が数多く記されており、例えば元旦や、藩主就任などの節目では、贈答品の筆頭として刀剣があがっています。このような将軍家との贈答品のやりとりは、主従関係を確認する行為だったと考えられています。一方、藩主の個人的な交友や身近に仕える人々との間でも、書画や道具類が贈答されており、相手との親密な関係をみてとることができます。
 本展では、越前松平家に伝わる刀や書画をはじめとして、将軍家や大名家から贈られた品々と、藩主が家臣に下賜したり、社寺へ奉納したりした品々をご紹介します。贈り物が結んだ福井藩主と様々な人々の繋がりをご覧ください。
開催概要
会  期 7月21日(金)~8月27日(日)
開館時間:午前9時~午後7時 ※会期中の休館日はありません
会  場 福井市立郷土歴史博物館
観 覧 料 一般、高校・大学生400円、中学生以下無料
・70歳以上の方、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介助者の方は、無料でご覧いただけます。
特別陳列観覧券で、平常展示および養浩館庭園もご覧になれます。
・友の会優待観覧券で観覧できます。
・有料入場者20名以上の団体は2割引きとなります。
主 催 福井市立郷土歴史博物館
主な展示資料(展示予定資料の一覧はこちら
「少年藩主への贈りもの」
・太刀 銘 恒次  (福井市春嶽公記念文庫)     
            
・御大切之御細工物 (福井市春嶽公記念文庫)
                                         
 徳川家斉・家慶父子→松平春嶽  
                          
 松平春嶽が16代福井藩主となったのは天保9年(1838)、11歳のことでした。春嶽はこの年の11月23日に初めて江戸城に登り、江戸城大奥で前将軍徳川家斉(いえなり)と12代将軍徳川家慶(いえよし)に面会し、太刀や細工物などを拝領しました。徳川家斉は春嶽にとって叔父、家慶は従兄弟にあたり、家斉の息女・浅姫は14代福井藩主松平斉承(なりつぐ)正室となっており、親しい血縁・姻戚関係にありました。

「うちの名品をどうぞ」
・薩摩切子 紅色被鉢 
   (越葵文庫)
薩摩藩主島津家→福井藩主松平家
 薩摩切子は薩摩藩を代表する美術工芸品として、将軍家や諸大名への贈答品として用いられました。越前松平家に伝来するこの紅色ガラスを被せた鉢は、島津家から親交の深かった越前松平家に贈られた可能性があります。使用した形跡もなく、希少な品として大切にされたのでしょう。今回が県内初公開です。
 

「よろしくたのむぞ」 
・刀 無銘 初代康継
(個人蔵 当館保管)
(伝)永見右衛門→結城秀康
    …松平春嶽→横井小楠
 文久元年(1861)、安政の大獄による処罰を受け江戸霊岸島邸に幽閉中の松平春嶽は、熊本藩から政治顧問として招いていた横井小楠の講義を受け、その後福井に戻る小楠にこの刀を贈りました。小楠による鞘書には、この刀が初代藩主秀康以来の松平家伝来の刀である旨記されています。それは小楠への信頼と、彼へのさらなる期待のあらわれといえるでしょう。その後文久2年に謹慎を解かれた春嶽が政治総裁職として幕政に参画する際、小楠は幕政の改革指針となる「国是七条」を建策しています。

「いつもありがとう」
・帷子 白麻地浜松桜模様
     (個人蔵 当館保管)
松平斉承夫人浅姫→福井藩医     
 藩主やその夫人たちが使った衣装や身の回りの道具は、家臣や侍女への褒賞として贈られることもありました。この帷子(かたびら)は14代藩主斉承夫人浅姫から福井藩医の家に贈られたもので治療の礼であった可能性もあります。

「親愛のしるし」                
・釈迦三尊図 狩野探幽筆(大安禅寺)

 松平光通→大愚宗築
 明暦3年(1657)、21歳の4代藩主松平光通は、当時臨済宗の名僧として知られた大愚宗築と出会います。光通は大愚禅師をを人生の師として慕い、73歳の禅師を開山に迎え万治元年(1658)に永代菩提所として大安禅寺を建立しました。同年、江戸の光通から大安禅寺の大愚禅師にあてた書状では「お約束していた探幽筆の三幅一対が完成しましたので福井へ戻る家臣に持たせます」と述べており、この作品がそれにあたると考えられます。
以上のほか合計約40件を展示

関連催事
ギャラリートーク(担当学芸員による展示解説)
7月22日(土)、8月5日(土)、8月20日(日)
いずれの日も午後2時より40分程度 展示会場にて ※観覧料が必要です。
展示・講座のページへ