三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょうのレプリカ
福井市の東部、花野谷町の山の上にあった花野谷1号墳はなのたに1ごうふんから見つかった三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょうをつくられた当時とうじの状態じょうたいで再現さいげんしたレプリカです。
青銅(せいどう)という、銅(どう)と錫(すず)と鉛(なまり)からなる合金(ごうきん)でできています。古墳の中からみつかる鏡かがみは錆さびで緑色みどりいろに変色へんしょくしていますが、作られた当時は写真のようにピカピカで金色に近いツヤがあります。
現代の鏡とはちがい、金属きんぞくの平たい面をきれいにみがきあげることで、姿すがたがうつるようにしたものです。
裏側うらがわにはいろいろな文様もんようが立体的りったいてきにあらわされています。規則きそく正しい文様や、神様・動物の図などをえがいたものもあります。そのうち下の写真しゃしんのように、縁ふちの断面だんめんが三角形で、中に神様かみさまや動物どうぶつの図があるものは「三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょう」とよばれています。
よく見ると、文様の中に「天王」「日月」という漢字が入っているのが見えます。古墳時代の日本ではまだ文字を使っていないので、こういったことからもこの鏡が当時の中国の人によってつくられたことがわかります。また、まんなかに描かれている神様や動物の図は、むかしの中国でつくりだされた図柄ずがらです。
そういったことから考えるとこの鏡は中国から海をわたってもたらされたものなのかもしれないのですが、実は三角縁神獣鏡は中国大陸では一枚も見つかっていません。それでこの鏡は中国で作られたのか、日本で作られたのか、学者の間でも意見が分かれています。

三角縁神獣鏡のレプリカ(裏側)
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三角縁神獣鏡のレプリカ(表側)
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