- キュンストレーキ
フランスの学者・オヅー(1797~1880)によって考案(1825年に発表)された紙製かみせいの人体模型じんたいもけいは、オランダ語で「人工じんこうの死体したい」という意味の「キュンストレーキ」あるいは「キンストレーキ」と呼ばれていた。日本へは幕末から明治にかけて数体が輸入ゆにゅうされ、福井藩の医学の学校・済世館さいせいかんでは万延元年(1860)に男体を、明治2年(1869)に女体を購入している。
人体のしくみを知るためには、死んだ人の体をひらいて調べるという方法(解剖かいぼう)がとられたが、ひんぱんにできるわけではないので、このような模型を利用して学ぶことが重要だった。
現在、キュンストレーキは全国でも数体しかのこっておらず、中でも男女一対がそろっているのは当館だけである。 |