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福井市の西北に位置する大安禅寺は、万治三年(1660)に福井藩四代藩主である松平光通によって、大愚宗築禅師を初代住職として創建されました。同寺には松平家の廟所(千畳敷)が作られ、歴代藩主により庇護されました。そこには福井の江戸時代が当時のまま納められているといっても過言ではありません。
本展は大安禅寺に伝来する多くの宝物の中から、歴代の藩主に関連の深いものを選び出すことにより、越前松平家と大安禅寺との約350年に渡る関わりを見る初めての試みとなります。作品を見渡すと、祖先を敬う藩主と菩提所である寺院とのつながりが様々な宝物を蓄積し、それらが歴代住職によって大切に守り伝えられ今に残されることになったと気づかされます。これらが戦・震災の影響も受けず当初の姿を残していることは大変貴重なことだと言えるでしょう。
展示される作品の多くは今回初めて大安禅寺を出るものです。松平光通坐像の作者の決め手となる文書など、この展示の事前調査で詳しくわかったこともあります。また、それぞれの作品にまつわるエピソードを知ることができるのも本展の特徴といえるでしょう。作品を鑑賞いただくことに併せて、藩主や住職らの心にも思いを馳せて楽しんでいただけましたら幸いです。 |
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開催概要 |
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会 期 |
平成18年7月22日(土)~9月3日(日) 44日間 会期中無休 |
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開館時間 |
午前9時~午後7時(入館は午後6時30分まで)
☆初日は午前10時30分より一般公開(平常展示は午前9時) |
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観 覧 料 |
大人500円、高校・大学生400円
※ 中学生以下、70歳以上の方、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている方とその付き添いの方は、無料でご覧いただけます。
※ 友の会優待観覧券で観覧できます。
※ 20名以上の団体は2割引きとなります。
※ この観覧料で、平常展示および養浩館庭園もご覧になれますので、お得です。 |
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主催・会場 |
福井市立郷土歴史博物館 |
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協 力 |
大安禅寺 |
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展示構成 重要文化財を含む44件を展示します。詳細はこちら⇒「出品目録」.xls(424KB) |
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□ プロローグ ~大安禅寺について~ |
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明暦3年(1657)、22歳だった4代藩主松平光通が当時臨済宗の名僧と知られた大愚宗築と出会います。光通は、彼を人生の師として越前に寺院を建立して迎えたいと切願し、大愚宗築もそれに応え大安禅寺が誕生することとなります。臨済宗妙心寺派の同寺は1660年の創建以来、約350年間脈々と禅を実践する道場として福井の田谷にあり続けています。ここでは禅寺としての大安禅寺の姿や大愚宗築の遺品をご紹介します。 |
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□ 松平光通と大愚宗築 |
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大安禅寺建立の目的は、光通自らが願主となって先祖の菩提所を作ることでした。そこで大愚和尚によって選ばれた田谷の地には、まず立派な廟所と本堂など主だった建物が整備されました。そしてここで藩主光通と大愚和尚の交流がなされることとなります。光通が高齢の大愚和尚を大そう気遣う様子や、大愚和尚が入滅の時を必ず大安禅寺で迎えると約束した話などが大安禅寺の記録に記されており、二人の間に深い信頼関係が築かれていた様を垣間見ることができます。ここでは大安禅寺建立の経緯や、光通と大愚和尚の交流の様子をご紹介します。 |
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松平光通坐像
康乗作
1躯 木造、彩色、玉眼
延宝5年(1677)
大安禅寺蔵 |
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大愚宗築像
〈賛〉自賛、貫十梵通筆
〈画〉狩野元昭筆
1幅 絹本著色
寛文元年(1661)
大安禅寺蔵 |
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□ 歴代藩主と大安禅寺 |
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四代藩主光通に続く藩主らも、先祖の廟所である大安禅寺と関わりを持ちました。藩主自作の作品や寄進された美術品、先祖の供養として奉納された品など、数々の宝物が現存しています。ここでは藩主にゆかりの深い宝物やそれらにまつわるエピソードから、歴代藩主と大安禅寺のつながりを見ます。 |
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重要文化財
羅漢図
伝 明兆筆
対幅 絹本著色
鎌倉時代(13~14世紀)
大安禅寺蔵 |
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□ 城から来たる宝物 |
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寄進された品の中には、元々福井城にあったもので城から大安禅寺へ贈られたものがあります。これらは交割帳に「従城来」などと記されており、大安禅寺の宝物の中でも優品揃いです。ここではそのすばらしい作品をご紹介します。 |
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関連催事 |
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◆ 開会記念対談「越前松平家と大安禅寺」 |
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日時:7月22日(土)午前11時~
会場:当館2階 講堂
パネラー:高橋友峰(大安禅寺住職)、松平宗紀(当館名誉館長、越前松平家当主)
定員:60名(当日先着順) |
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◆ シンポジウム「大安禅寺・文化財の見どころ」 |
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大安禅寺の文化財について、調査に携わった研究者がその見どころを解説します。 |
日時:8月19日(土)午後1時30分~4時
会場:当館2階 講堂
パネラー:吉岡泰英(福井県教育庁文化課文化財保護室長)、澤博勝(福井県立歴史博物館学芸員)、戸田浩之(福井県立美術館学芸員)、志賀太郎(徳川美術館学芸員)、高瀬裕美(当館学芸員)
定員:60名(当日先着順) |
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